幻の蒸気文明
蒸気機関。
人類が始めて手に入れた人工動力である。
風の力も、水の力もいらない。
いつでも使いたいときに手に入れられる動力。
まさに当時においては夢の道具だったに違いない。
が、この蒸気機関にはいくつかの問題があった。
蒸気を圧力の媒体とするために、一度水を沸騰させる必要がある。
この時点で熱の伝導にロスが生じるため効率が悪い。
またボイラーの存在が必須で、小さなサイズのものを作りにくく、
さらに小さいものは熱伝導効率が低下しやすい。
結果、現在の地球ではそれより効率の良い、ガソリンエンジンなど
石油中心の動力や、原子力を使ったものに置き換えられた。
しかし、そのせいで町には騒音があふれ、大気は窒素酸化物で汚染
され、どうしょうもない核廃棄物が出現してしまった。
話を蒸気機関に戻すと、蒸気機関車を作ったスチーブンソンは優秀
だったが、小型のサイズの蒸気機関を作れる技術者は極めて少なく
結果として蒸気機関は衰退していった。
自動車や飛行機の動力はガソリンエンジンによるものだった。
ところが。
実際作ろうと思ったら作れるもんだ、蒸気飛行機。
人間ってのはやるもので、1930年代になってしまったがそれでも
作ることができた。
ライト兄弟が居なかったら蒸気飛行機の方が先に飛んだかもな。
蒸気飛行機が出来るくらいなら蒸気自動車だって出来るだろうし、
下手すりゃ蒸気バイクなんてのも出来たりして。
出来ないんじゃなくて効率優先の結果のせいなんだなこれは。
他にいい動力を知らなかったら蒸気機関のみの文明とか出来たりしてな。
しかし、蒸気文明ってどんなんだろうな。
多分多数の煙突と、煙と蒸気、あとなんか異様に蒸し暑い。
んで町は何か異様に黒っぽい、ていうか暗い。
19世紀のロンドンのイメージって感じ。
(何しろ19世紀のイギリスは蛾さえ黒くなったぐらいだった)
それをさらに極端にしてみる。
少なくとも日本は蒸気文明にはなれないな。
蒸し暑いっちゅーの!!
なんかさっぱり感が不足する文明だな。
まあ明かりはあるだろうからそれに追加してみる。
かなり追加してみる。余計暑苦しい感じがするな。
明るいけど蒸し暑い。そんな感じ。てか視野が狭い。
霧が激しい…ってまんまロンドンだな。
雨が異常に多いのもこの文明の特徴だ。
薄手のレインコートor傘必須。蒸気文明に出かけるときには忘れずに。